配偶者による暴力への対処方法
配偶者による日常的な暴力(DV・ドメスティックバイオレンス)がある場合、「婚姻を継続しがたい重大な事由」があるとして離婚が認められることも多いと言えます。
ここでは、離婚以外の主な防御手段(対処方法)について述べます。
(1)「保護命令」手続きをとる(DV防止法)
「保護命令」とは、配偶者からの身体に対する暴力により、被害者の生命又は身体に重大な危害を受ける恐れが大きい時に、被害者の申し立てにより、地方裁判所が加害者に対し発令するもので、「退去命令」と「接近禁止命令」の2種類の命令があります。
「接近禁止命令」とは、暴力を振るう配偶者に対し、被害者や同居している未成年の子どもの身辺へのつきまとい行為などを6ヶ月間禁止するものです。
「退去命令」とは、暴力を振るう配偶者に対し、2ヶ月間、住居からの退去を命じるとともに、住居付近のはいかいを禁じるものです。「退去命令」は、申立当時に配偶者と被害者が生活の本拠を共にしている場合に限ります。
保護命令に違反した場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。
(2)仮処分命令
民事保全法に基づき、加害者に対し、裁判所が接近禁止等の命令(民事保全命令)を出すものです。
DV防止法が制定されるまで、被害者は、加害者の接近を禁止する仮処分を申請するしかありませんでした。仮処分命令の違反には罰則規定がなく、その効果は薄かったといえます。
DV防止法が制定された現在においても(1)で説明したように、保護命令の対象は、身体に対する暴力に限られているため、生命・身体に対する言葉などによる脅迫行為が著しいような場合、接近禁止の仮処分を申し立てるが一応あるといえます。
しかし、現在では、ストーカー規制法を利用することで、脅迫行為やつきまといなどの後遺についても、「警告」「禁止命令」「警察本部長等の援助」を利用することができます。
(3)刑事告訴・被害届の提出
暴力や脅迫等は、夫婦間といえども当然犯罪であり、刑法上の傷害罪・暴行罪や脅迫罪等として処罰の対象となります。
精神的な暴力・性的な暴力もPTSD(心的外傷後ストレス障害)など重い精神障害に至れば刑法上の傷害罪として処罰されることもあります。
また、前述のように,保護命令違反についても罰則が定められています。
したがって、刑事告訴をしたり、被害届を出すのも1つの方法です。
被害届を提出したり、告訴をしても怪我の程度が軽い場合などは、必ずしも相手方が処罰されることにはならないかも知れませんが、被害届や告訴状を出すことによって、警察が加害者に対して注意や指導をしてくれる場合も多いので、刑事告訴をしたり、被害届を出すことも意味があるといえます。
(4)民事損害賠償請求をする
暴力は、不法行為であり、それにより怪我をしたりして損害を被った場合、損害賠償請求できます。
もっとも、損害賠償請求に至るような場合、離婚を考えられる方も多いでしょうから、離婚の手続(調停や訴訟など)の中で、例えば、離婚の慰謝料の中で、暴行による損害を考慮してもらうという方法もあります。
配偶者による暴力(ドメスティックバイオレンス)でお悩みの場合は、まずは弁護士にご相談ください。
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